お金のむこうに人がいる
簡潔にいうと、子供でもわかるような例え話をだして、かなりわかりやすく経済のことを教えてくれる本だ。
テレビ番組など、経済の話をするときはわざと専門用語を使い、わかりにくくしていたりする。
それが理由で、ほとんどの人が経済の話に興味を持てない。
本書はそんなわかりにくさを解消してくれる本だ。
結局、経済を突き詰めて考えたときに見えてきたのは、お金ではなく「人」だった。
人を中心に経済を考えれば、少しわかりやすく捉えることができる。
私たちは老後に2000万必要だ!
と、老後の問題にたいしてお金で解決できる問題だと捉えている。
全ての人が同時に老後を迎えることはないが、少子化で働く人が減っていくことは確かだ。
老後にいくらお金があろうが働いてくれる人がいなければ、どうしようもない。
お金が生活を支えていると思うと、自分の財布の中のお金にしか興味をもてなくなる。
しかし、私たちが1日を過ごすために、数万人の人が働いている。
たとえ1日中家で過ごしたとしてもだ。
水道の蛇口をひねり、水を使えるのは水道代を払っているからではない。
そこにも多くの人が関わっている。
水源地を管理する人
水質検査をする人
水道管を修繕する人
水を使えるのは彼らのおかげだ。
どんなにお金を払っても、誰も働いてくれない無人島で水を飲むことはできない。
1日を過ごすだけで、人々に支えられて生きている。
お金ではなく、人と人との関わりを考えながら生活すること。
よりよい社会を皆で考えて実現していくには道徳的な感情がもっと必要なのかもしれない。
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